中目黒 代官山の社労士

不動産業界は他の業界に比べて、20代～30代の若い営業社員によって支えられている会社が多く、従業員の売り上げに対する意識は高いといえます。

しかし、一方で厳しいノルマ、行き過ぎた指導などによって、離職率が高い業界でもあります。

そのためか、どうしても労務管理が怠りがちになってしまい、その結果、優秀な人材に限って早期離職に繋がるという悪循環が発生しています。

不動産会社は優秀な人材によって支えられており、優秀な人材を失うことは会社の存続をも脅かすほどです。

多くの不動産会社はその賃金体系に歩合給制を取り入れています。
歩合給を支払っていれば残業代の支払いは不要と勘違いされやすいのですが、歩合給と残業代は全くの別物です。

「管理職は残業代がつかないのは当たり前」
「営業は売上に対して給料を支払っている。労働時間は関係ない」

営業会社でよく聞くセリフですが、残念ながらこれらは法律上認められていません。

賃金の請求権の時効は３年間です。
近年増加しているケースとして、退職時にまとめて残業代を請求されるケースです。

労働者から請求があった場合は、３年前まで遡って残業代の支払いが必要となります。

【月給20万円、1日1時間の残業があった場合】

20万円÷160時間（月平均所定労働時間）×1.25（割増賃金率）×20時間（残業時間／月）×36ヶ月（3年間）

従業員1人当たり、およそ112.5万円の支払いが必要になります。

このような会社の業績に影響を与える問題は、特別な労働時間制を導入したり、賃金体系を変更しておくなど、事前の対応でリスク回避することができます。